こんにちはカリアゲです。
「メタバース」がホットワードとなっている。市場拡大が確実視されており、SNS大手のFacebook(メタ)も参入を発表した。
しかし、メタバースの概念をきちんと理解できている人はまだ少ないのではないか。関連ニュースを確認しながら、基礎知識を解説していこう。
メタバースとは?
メタバース(metaberse)は、「超越した」という意味を持つ「meta」と、「世界」という意味を持つ「universe」をつなげた造語だ。
日本語では例えば、「インターネット上に構築される仮想の三次元空間」(小学館/デジタル大辞泉)、「3Dコンピューターグラフィックスや仮想現実(VR)の技術を応用して構築される仮想空間」(共同通信)などと説明される。
要は、メタバースは仮想の空間であり、メタバースの利用者は自分の分身である「アバター」を操作し、仮想の空間内でさまざまな行動ができるというものだ。メタバースの空間内にいるほかの参加者と話したり、一緒にゲームをしたりできる、といった具合だ。
メタバースは昔からあった
実は、メタバースという概念自体は、誕生したばかりの革新的なものというわけではない。これまでにも仮想空間でプレイヤーが交流できるオンラインゲームはたくさん誕生している。
例えば、コロナ禍で人気となったNintendo Switch用ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」は、ゲーム内の空間でプレイヤーがほかのプレイヤーとアバターを通じて交流できるゲームだ。まさにメタバースの典型であると言えよう。
ではなぜ、いまメタバースに注目が集まっているのか。それは、メタバースがさまざまなビジネスで活用できる可能性を秘めているからだ。メタバースは単にゲームのための空間として活用されるだけではなく、さまざまなユースケースが検討・実用化されつつある。
大手企業も続々参入
最近では、ウェブ会議システムを提供するブイキューブ(V-CUBE)が2022年1月12日に、メタバースにおけるコミュニケーションサービスの提供をスタートすると発表した。その第1弾として、まず「メタバースイベントサービス」を展開するという。
このメタバースイベントサービスとはどのようなサービスなのか。報道発表では「あらゆる業界のイベントのメタバース化を実現してまいります」と説明されており、株主総会やセミナー、カンファレンスなどをメタバースの空間内で展開できるようにするものとみられる。
ブイキューブが公開しているイベントイメージの1つが以下に示す通りだ。仮想空間の中で、セミナーで講演する人と講演を聴く人の両方が存在していることが分かる。
同社はこれまで実施してきたさまざまなオンラインイベントの実績などを生かし、国内最大のメタバースイベントサービスプロバイダーを目指すと意気込んでいる。
カナダのスタートアップ企業「ARHT Media」が展開する取り組みも、メタバースをビジネスシーンで活用しようというものだ。同社の強みの技術の1つがホログラム技術で、この技術を活用してメタバース上で本人のホログラムを表示し、ウェブ会議ができるようにするという。
あるアメリカの小売大手もメタバースに参入
報道によると、米ウォルマートが最近申請した商標の内容に、メタバース内でバーチャルストアを展開するという計画が盛り込まれているという。
確かに、メタバースとバーチャルストアは相性が良さそうだ。仮想空間内にさまざまな商品を展示すれば、実店舗を訪れなくても商品の見た目などを3次元的に確認することができる。そのバーチャルストアにアバターとなった店員を配備すれば、客からの機能に関する質問にも応じられる。
ちなみに、申請した商標の内容においては、バーチャルストアで電気機器やおもちゃ、スポーツ用品などを販売するとの記載があるようだ。
メタバースの市場規模は、今後拡大が見込まれている。米ブルームバーグの推計では、2020年時点の世界市場は約4,800億ドル(約55兆円)だったが、2024年には約7,800億ドル(約90兆円)まで拡大する予定だという。
米Marketysers Global Consultingグループの民間調査会社もメタバースの市場規模に関するレポートを発表しており、世界市場は2020年の476億9,000万ドル(約5兆4,000億円)から2028年には8,289億5,000万ドル(約95兆円)へと拡大すると予測している。
この2つのレポートを信じるのであれば、2025年から2030年の間にメタバースの世界市場は日本円にして100兆円規模に到達することになりそうだ。このような市場の有望性から、今後もメタバースに参入する企業は増えていくと予想できる。引き続き関連情報をウオッチしていこう。
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