こんにちはカリスマです。
事件や事故、病気、自殺など、人が亡くなる現場となった物件を「事故物件」と呼ぶ。
不動産用語では『心理的瑕疵(かし)物件』、いわゆる“訳あり物件”。もし契約のときに記載されていたら要注意だ。
瑕疵とは、通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと。法概念としても用いられる。
心理的瑕疵とは?
不動産物件の取引に当たって、借主・買主に心理的な抵抗が生じる恐れのあることがらをいう。
心理的瑕疵とされているのは、自殺・他殺・事故死・孤独死などがあったこと、近くに墓地や嫌悪・迷惑施設が立地していること、近隣に指定暴力団構成員等が居住していることなどである。
物件の物理的、機能的な瑕疵ではないが、物件の評価に影響することがあるため、知っていながらその事実を説明しない場合には契約不適合責任を問われることがある。もっとも、何が心理的瑕疵に当たるかについての明確な基準はない。
物理的瑕疵とは?
例えば、建物については雨漏り・シロアリ・耐震強度の不足など、土地については土壌汚染、地中障害物の存在など、取引物件自体に物理的な不都合が存在する場合です。
法律的瑕疵とは、例えば、取引する土地に法令上の建築制限が課されている場合など、法令等により取引物件の自由な使用収益が阻害されているような場合です。
殺人や自殺の物件
宅地建物取引業法では、瑕疵の内容を借り主や買い主へ告知する義務が定められている。だが、不動産仲介業者や大家によって対応が異なっているのが実情だ。
「瑕疵物件は不動産物件全体の5%とみられています。ですが何があったか借り主や買い主に知らされていないケースもあります。そうした物件で人知を超えた現象が起きることがあります」
そう話すのは元不動産会社勤務のヒロさん(33)。現在、会社員として働く傍ら、事故物件や心霊スポットなどを訪れた動画を配信する心霊系ユーチューブチャンネル『オウマガトキFILM』の企画、編集を担当している。
同番組は一般の人は立ち入ることがない事故物件や空き家も多く紹介されており、ゾッとするような恐怖体験が綴られている人気チャンネルだ。
そこでヒロさんから5%の物件に起きる本当にヤバイ事実を話してもらった。
「僕らはこれまで40軒近くの事故物件を訪ね撮影しましたが、何も起きないところも多く、公開しているのはほんの一部だけ。ヤバイなと感じるのは殺人や自殺が起きた物件。明らかに雰囲気が違いますね」(ヒロさん)
こうした部屋では科学では説明ができないような現象が起きることがあるのだ。
「何年も人が住んでないはずなのに人の気配を感じるとか、夜中になると腐敗臭が漂うことがあるんです」
本当にある物件の話
「住人が孤独死し、体液が染みていたことから床を張り替えた物件がありました。なのにその後も人の形のシミが床に浮き出てきて、掃除しても張り替えても浮き出てくるとか……。にわかには信じがたい現象は実際にあります」
入居者が替わるたびに同じようなクレームが入る物件もある。
「僕が不動産会社に勤務していたころの話です」
担当するマンションのある部屋に住む男性から相談の連絡が入った。
「夜中に隣から女性の“助けて”って声が聞こえる、というクレームでした。ですが隣は男性のひとり暮らし……」
そこは地方出身者が集まる派遣会社の寮。慣れない土地で故郷に帰れない寂しさや仕事のつらさから精神を患い、幻聴が聞こえるようになったのではと推測された。だが、クレームが入るのはその部屋の住人から。
「その後も数人続きました。その部屋の噂が広まってほかの部屋の住人も怖がるようになり、住む人がいなくなった。数年後、その建物は取り壊されました」
叫び声の正体はいまだにわかっていない。
建物を取り壊すような事態になれば大家としてもたまったものではない。
物件で人が亡くなった場合、通常ではリフォームや特殊清掃業者による清掃が行われ次の人に貸されるが
「実はそうでもないんです。事故物件になる部屋の99%はワンルームや1K。しかも建物が古く家賃が安い物件であれば、そもそも大家さんにあまり収入がないことが多い。費用をかけたリフォームはせずに、そのまま人に貸すこともあるんです」
あろうことか「孤独死していた浴槽を簡易な清掃のみで貸す」物件やお祓いや供養がされていない物件もある。
「以前、身寄りがない認知症の高齢者が孤独死し、2週間後に発見された事故物件を撮影しに訪れたときのことです。そこは住人が亡くなったときのままで、ゴミや排泄物まで残されていました。清掃業者すら入れずに部屋ごと封鎖されていたんです」
あまりの悲惨さに動画にはできず物件を後にしたという。
事件後、なんの手も加えられず封鎖されている部屋は少なくないという。
いわくつきの部屋にはろくに供養もされず、志半ばで亡くなった人々の念、時に怨念のようなものがとどまっているのかもしれない。
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