米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(29)の通訳を解雇された水原一平氏(39)の違法賭博疑惑で、米スポーツ専門局ESPNは21日、大谷選手が巨額の窃盗被害に遭ったとして、大谷選手の代理人が捜査当局に刑事告訴したと報じた。
水原氏はカリフォルニア州のブックメーカー(賭け業者)との違法なスポーツ賭博で借金が膨らみ、大谷選手の銀行口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)が返済されたと報じられている。
ESPNの取材を受けた水原氏は当初、大谷選手に借金の肩代わりを頼んだと語ったが、翌日には発言を撤回し、借金について大谷選手は何も知らなかったと釈明した。
ESPNによると、ドジャースはソウルで20日に行われたパドレスとの開幕戦後、クラブハウスに選手を集め、疑惑報道が出ると伝えた。ESPNは21日、関係者の話として「大谷選手は初めて何が起こっているのかを理解し、いくつかの質問を始めた」と報じた。
一方、地元紙ロサンゼルス・タイムズは21日、トップニュースで疑惑を報じ、大谷選手の責任を問う論評を展開した。大リーグには「選手らが違法なブックメーカーのために働いたりした場合、最低1年間の出場停止処分を受ける」と定めた規則がある。
同紙は、大谷選手が借金を肩代わりした場合を念頭に「違法な賭博業者の債権回収を手伝えば事実上、賭博業を営んでいることになる」との専門家の見解を伝えた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、球団職員の水原氏が大谷選手の私的財産を利用できる状況にあったと報じられた点を問題視し、「スターの評判に泥を塗る恐れがある」と懸念を示した。
21日のパドレス戦を終えた大谷選手らドジャースの選手たちはロサンゼルスへの帰路についた。大谷選手は試合後、「お疲れさまでした」と繰り返し、取材には応じなかった。
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